はじめに
今回はガンプラ制作における市販の水転写デカールを使ったディテールアップ方法をご紹介させていただきます。とっかかりは難しそうなイメージもあると思いますが、水転写デカールの仕組みと使い方さえ分かってしまえば後は慣れるだけだと思いますので参考にしていただけると幸いです。
※今回のレビューでは鋭利な道具を使用します。実践される場合は安全面に十分配慮した上で自己責任である事へのご了承をお願い致します。
水転写デカールの構造
まずは水転写デカールの構造から簡単なイメージを掴んで置くと理解の助けになるかと思いましたので下に簡単なイメージを用意してみました。
台紙の上にデカール(1つのデカール)が乗っていてその周囲を水溶性の糊が固まった状態で存在してそれを固定している状態と考えられます。ですので水転写デカールをガンプラに貼る場合は、①目的のデカールを台紙ごと切り出し、②水に付けて周りの糊を軽く溶かし、③糊が溶けて動くようになったデカールをピンセットを使ってガンプラに移して(転写)ディテールアップを行って行く事になります。
必要な道具
続いて水転写デカールの貼付けにはガンプラ以外に必要なものをご紹介して行きます。最初はほぼ必須と考えられる道具からリストアップしてみました。
・水転写デカール
・水を入れる容器
・ティッシュ
・デザインナイフ
・カッターマット
・精密ピンセット
・綿棒
RB01コーションデカール ホワイト |
Mr.塗料皿10枚入り |
No.20 デザインナイフ |
カッターマット A4 |
No.47 精密ピンセット |
また、必須ではありませんがあると好ましいものも以下にリストアップしてみました。
・ワニ口クリップ
・マークセッター
・マークソフター
・トップコート
GSIクレオス Gツール ネコの手持ち手棒 36本入 ホビー用塗装用具 GT90 | Mr.マークセッター |
Mr.マークソフター |
水性プレミアムトップコート つや消し |
水転写デカールの貼付け方法
それでは早速、水転写デカールの貼付け方法をご紹介して行きます。まずは底が浅めのお皿を用意して水を適当量入れます。因みに私はGSIクレオスさんの”Mr.塗料皿”を使わせていただいてます。
※デカールが浸かる程度の水があれば良いので水量はあまり重要ではありませんが水温はデカールを固定している糊の溶解速度に影響範囲するので意図がない限りはお湯は使わない方が管理しやすいと思います。
そしてこれから貼付けるデカールです。今回はハイキューパーツさんの”RB01 コーションデカール ホワイト”を使わせていただいて説明して行きます。デカールのデザインやカラーも豊富なのでお好みのものを見つけられると思います。サイズも1/144と1/100がラインナップされています。
ここでデザインナイフを使って目的のデカールを台紙ごと切り出します。下の画像では2枚同時に切り出していますが最初は1枚ずつの方が失敗が少なくて良いかと思います。因みにデザインナイフはタミヤさんの”No.20 デザインナイフ”を使っています。
上で切り出したデカールを台紙ごと水に浸けます。糊が溶ける時間は水温に依存するので水道の温度や季節の影響を多少受け、少しだけ配慮してあげると良いかと思います。大抵は10~20秒くらいで上手く行くかと思います。
10数秒経ったらデカールを台紙ごと水から上げてティッシュペーパー等で水気を取ります。ここで糊を残し過ぎるとデカールを台紙から剥がす事が出来ず、糊を落とし過ぎるとデカールが台紙から剥がれて何処かへ行ってしまうというリスクが発生します(多分、この辺りが難しそうなイメージを作っているのかと)。また、この作業からはピンセットが必要ですが、先端が揃っていないピンセットだと作業が進み難く、時間のコントロールも難しくなるので精密ピンセットの使用をお勧めしたいところです。
続いてGSIクレオスさんの”マークセッター”をデカールに塗りました。因みにこれは塗った方がデカールの接着がより強くする目的がメインなので必須ではないです。因みに私の場合は左手でマックセッターを持って、右手でデカールを掴んだピンセットを持って合わせる事で塗っています。本来はマークセッターをキットに塗布し、そこに剥がしたデカールを貼付けるような使い方が正しいのかと思いますが、ガンダムマーカーエアブラシシステムの塗膜がマークセッターの影響を受ける可能性もあるのでこのようにして影響を最小限にしています。
マークセッターを塗布したデカールを目的の位置に貼付け、綿棒を使って余分な糊やマークセッターを吸い取らせます。面倒ですが綿棒は頻繁に替えた方がデカール剥がれを抑える事が出来ると思います。
今度は同じくハイキューパーツさんの”RB01 コーションデカール ライトグレー”に変更して同様の作業を実施します・・・
こんな感じで貼付け先のカラーに応じてデカールの色も変えるとより効果的に情報量が上がると思います。
寄り画像には耐えられないクオリティーですが水転写デカールを一通り貼り終えた状態画像です。
最終的に水性トップコートを吹いてデカールを保護しました。今回は作例としてHGUC ガンダムTR-6[ウーンドウォート]のリンクを用意したのでご興味のある方はご覧下さい。
まとめ
以上がガンプラ制作における水転写デカールの貼付け方法についてのご紹介でした。
『水転写デカールって一体?』という疑問を持ったままであると敷居が少し高く感じ、実際作業してみて上手く行かなくて嫌になってしまう事もあるかと思いますが、水転写デカールの構造をイメージしてもらえれば各作業の意味合いや時間の管理が理解しやすのかなと思います。
慣れてさえしまえばとても効果的に情報量を足す事が可能で、非常にコスパも高い手法だと思いますので本記事がお役に立てる事があれば嬉しく思います。それでは最後までお読みいただきありがとうございました!