はじめに
今回はHGUC ガンダムTR-1[ヘイズル改]に付属するジム系用シールドの制作記録をご紹介させていただきます。ガンプラのディテールアップを強力にサポートしてくれるスジボリ堂さんの”BMCタガネ”を使ったスジ彫りや”BMCダンモ”による段落ちモールドの入れ方、”セラフィニッシャー”によるバリ取りにも触れておりますのでご興味のある方はご覧いただけますと幸いです。
※本制作記録でご紹介している作業は鋭利な刃物を使用するため保護メガネ等、安全性に十分配慮された上での実施をお願い致します。
仮組み
最初にHGUC ガンダムTR-1[ヘイズル改]に付属するジム系MSのシールドの仮組み後の画像からです。パーツ数は6個で10分もあれば準備出来ます。個人的には丸みを帯びている形状のディテールアップは苦手なのですが何とか上手くやって行きたいと考えております。
段落ちモールドの追加
まずはスジ彫り堂さんの”BMCダンモ 0.5/0.8”を使ってシールドに段落ちモールドの入れたのが下の画像です。モールドの入れた場所は赤矢印部分で、段落ちモールドは緑矢印で示した両方向にBMCダンモを数十回スライドさせて入れました。因みに画像のモールド幅は太い方の0.8mm幅です。力まず撫でるように時間をかけてやるときれいに入ると思います。
更にBMCダンモを使って下の画像の矢印部分にも0.8mm幅の段落ちモールド入れてみました。
シールドの濃紺の装甲部分にもBMCダンモで赤矢印部に0.8mmの段落ちモールド入れています。段落ちモールドやスジ彫りを入れる工程ではかなりの量の削りカスが出るので”卓上クリーナー”があると便利です。最終的にこれらの段落ちモールドを左右対称になるよう入れてこの作業は終了としました。
ガンプラのディテールアップにおいて卓上クリーナーはとても有用で当サイトでもレビューしておりますのでお時間のある方は下の記事もご覧下さい。
スジ彫り
ここからはスジ彫りへ・・・スジ彫り用の道具は様々なものが販売されていますが私は太さのラインナップも充実しているスジボリ堂さんのBMCタガネ を主力として使用させていただいています。まずはスジボリしたい場所(下の画像で赤いライン)にガイドとなるようにタミヤさんの”曲線用マスキングテープ 3mm”を貼りました。
上の画像で貼付けたマスキングテープをガイドにスジボリ堂さんの”BMCタガネ 0.2mm”で力を入れずに刃を寝かせて数十回なぞるようにスジ彫りしてガイドテープを外したのが下の画像です。新しくスジボリ追加出来ました。別売りとなってしまいますが”タガネホルダー”と併用すると作業性がアップするので合わせてチェックしてみて下さい(多くのカラーがあるので太さやお好みに合わせてお選びいただけます)。
同様にラインを入れたいところ(下の画像の赤いライン)にガイドとなるマスキングテープを貼付けてBMCタガネでスジ彫りをします。
下の画像の赤い矢印部分が新たに追加したラインです。
同様に反対側にもパネルラインを追加しました。
ここから少し複雑になりますがやっている事は上と同じです。新たにスジ彫りによるパネルラインを追加するためマスキングテープを貼って行きます。
更にマスキングテープでガイドを追加し、下の画像の赤いラインをBMCタガネでスジ彫りしました。
マスキングテープの一部を取り除いた状態です。真ん中にパネルラインが追加されました。
次に下の画像で赤い矢印部分にもスジ彫りしました。
ここで一旦マスキングテープを剥がします。ここまで入れたスジ彫りの跡が確認出来ます。
さらに追加したパネルラインの末端同士を繋ぐようにガイドとしてマスキングテープを貼付けました。
そしてスジ彫りした跡にマスキングテープを剥がして追加したパネルラインを確認です。
同様にマスキングテープでガイドを用意してBMCタガネでスジ彫りし(上)、マスキングを剥がしました(下)。
続いても同様にマスキングテープを貼付けて下の画像の赤いラインをBMCタガネでスジ彫りして行きます。
上でスジ彫りしたラインが下の赤矢印部分です。ここから緑矢印部分の5辺をBMCタガネ0.2mmで彫り進め・・・
今考えると切り分けまでしなくて良かった気もしますが色々出来る事を試して見たかったもので(笑)。30分くらいは格闘してました。
パーツの切り分けで出たバリはスジボリ堂さんの”セラフィニッシャー”で除去し、#600のヤスリで傷を消して表面を軽く整えました。
一度、ブラシで軽くきれいにしたところが下の画像です。
後は繰り返しになりますがガイドとなるマスキングテープ貼ってタガネでスジ彫りし(上)、テープを剥がして確認です(下)。緑矢印部分が新たに加えたパネルラインです。
マスキングテープを貼ってスジ彫りして(上)ラインを確認する(下)。こちらも緑矢印部分が新たに加えたパネルライン・・・
地味な作業ですが焦らず力を入れずに何度も何度も刃スライドさせてスジボリするときれいに仕上がると思います。ここも緑矢印部分が新たに加えたパネルラインです。
こちらもマスキングテープでスジ彫り用のガイドを作ってから(上)BMCタガネでスジ彫りした画像(下)です。こちらも緑矢印部分が新たに加えたパネルラインです。
ここからはタガネによるスジ彫りのちょっとした応用編で0.2mmで彫った溝をガイドに更に0.4mmでスジ彫りしたパターンです(下の緑矢印部分)。パッと見では良くわからないかと思いますがパネルラインの太さが変わる事で印象も大きく変わるのでお勧めです。
下の緑矢印部分も0.4mmのタガネでラインを太くしてみました。終始暗い画像で恐縮です。
カラーチップの貼付け
ここからはチップの貼付けでディテールアップして行きます。まずはエバーグリーンさんの”プラボウ”を単に切り出したプラボウをシールドに貼ってみました。因みに真ん中の縦のラインはプラバンです。
順番が前後しますがシールド中央の間隙が気になったので上ご紹介した通りにマスキングテープでガイドを作って・・・
スジボリ堂さんの”BMCタガネ 0.2mm”でパネルラインを追加しました。
本題に戻りまして色付きのプラボウであるカラーチップを貼付けてディテールアップしたのが下の画像です。
カラーチップの作り方についてもレビューしておりますのでよろしかったらこちらもご覧下さい。
塗装
カラーチップによるディテールアップも終えて墨入れする気でおりましたが裏面の塗装を忘れていたのでここで急遽実施する事に・・・スジ彫りが終わった後に塗装していればもっと楽だったのですがまずは下の画像のようにマスキングをしました。
続いてGSIクレオスさんの”ガンダムマーカーエアブラシシステム”でグレーに塗装です。マスキングさえ済ませてしまえば数分の作業です。
1日おいて乾燥させてマスキングテープを剥がした状態です。概ねきれいに塗れた気がしますが矢印部分や境目は少し汚れているので少し整える事に・・・
簡単に拭き取れる部分の汚れはGSIクレオスさんの”Mr.薄め液”を綿棒に含ませて拭き取り、境目についてはスジボリ堂さんの”セラフィニッシャー”でケガいて整えてみました。セラフィニッシャーは上でも紹介させていただいていますがガンプラ制作の色々なシーンで活躍してくれるのでお勧めです。
墨入れ
ここで墨入れです。墨入れにはタミヤさんの”墨入れ塗料(ブラック)”、”墨入れ塗料(グレー)”、”墨入れ塗料(ブラウン)”を使用しました。
墨入れの仕上げに綿棒にタミヤさんの”エナメル塗料”を含ませて軽く拭って墨入れは完了です。
水転写デカールの貼付け
墨入れも終わったので水転写デカールの貼付けへ。今回もいつもお世話になっているハイキューパーツさんの”1/144 コーションデカール”を使わせてもらいました。カラーはホワイトとグレーの2色を使いました。
最終チェック
全体に見直して最終チェックを・・・今回はシールド裏面の情報量が少ない気がしたのでカラーチップを追加する事にしました。塗装面に接着したいのでまずはBMCタガネ等で塗装を削りました。
ここでカラーチップをタミヤさんの”リモネンセメント(流し込みタイプ)”で接着しました。
最終的には下の画像のようにしました。これでトップコートを吹いて仕上げたいと思います。
トップコート
最後にGSIクレオスさんの”水性プレミアムトップコート つや消し”で仕上げて完成です。今回も私の拙いディテールアップを良い感じに隠してくれて感謝しかないです(笑)。
まとめ
以上がHGUC ガンダムTR-1[ヘイズル改]のジム系MSシールドを題材としたBMCダンモによる段落ちモールドの追加、BMCタガネによるスジ彫り、セラフィニッシャーによるバリ取りやC面の追加を行ったディテールアップをご紹介した制作記録でした。
BMCダンモやBMCタガネ、セラフィニッシャーなど初期投資に躊躇してしまう場面も多々あるかと思いますが、大切に使えば商品寿命も長く、制作物に精密感をプラスしてくれるという恩恵が得られますのでガンプラを続ける事に自信がある方には強くお勧めしたいと思っています。
単体はもちろんの事、それぞれの道具の組み合わせでも色々な表現が可能となる点も大きな魅力であり、オリジナリティを発揮していただければ幸いです。冒頭でも申し上げましたが当該作業はケガのリスクもありますので安全面には十分の配慮をお願い致します。それでは最後までお読みいただきありがとうございました!